「生活から離れたところにある恋」のこと思い出したりした|獣になれない私たち1話感想(ネタバレ)
ブログでドラマなどの感想を書くのは初めてなので、支離滅裂な文章になるかもしれない。
今年初めに放映していた「アンナチュラル」。
とても面白くて、現代社会を表したシビアな世界観や倫理観もとても好みだったので、同じ脚本家のドラマが始まるということでとても期待していた。
結論から言うと期待通り面白かったし、期待以上にシビアな世界観だった。
「ラブかもしれない」ストーリー、というコピー通り、1話には恋愛的要素はほとんどなかった。
ここで言う恋愛とは、漫画や映画などの物語で描かれる、「きゅんとした」り「ときめき」を感じたり、「情熱的な感情」のようなものだ。
「長年付き合っている恋人がいる状態」「恋人とははっきりしてないけど体だけの相手との関係」ははっきりと描かれている。
でもそのどれもが、このドラマでは「恋」とは定義されていない。
改めて思い返せば、現実ってそうだと思う。
最初は確かに「恋」だったものが、社会生活を営んでいく中で、暮らしや体に馴染んで、華やかではないものになって行く感覚を確かに味わったことがある。
恋人がいる状態だって、華やかな「恋」に憧れたり、思い返したりする瞬間もある。
浮気をしたいとか、危ない橋を渡りたいとかときめきが足りないとかそう言う簡単な話じゃない。
「生活から離れたところにある恋」に憧れてしまう自分が確かにいて、戸惑う感覚は誰にもあるのではないだろうか。
終盤の晶の「恋がしたい」と言うセリフはそんな戸惑いを感じた。
(”「生活から離れたところにある恋」に憧れてしまう自分”については、チャットモンチーの「ときめき」を思い出した。)
そして主人公を取り巻くあまりにも過酷な環境。
いわゆる「毒親」に、元カノと未だに同棲している、長年付き合ってるのに結婚には踏み切らない彼氏。
延々連絡してくるその母親。
思考停止でただ怒鳴って下をこき使うだけの上司。
自分で考えて仕事をしない、「待ち」状態の後輩たち。
トドメに取引先からのセクハラ。
どれか一つだけでも参りそうなのにこれらが絶え間なく晶の精神を削っていく。
でも削られても、泣いたり、喚いたりしない晶。
うまくその場をこなしてしまう晶。
それをこなして行く笑顔を「キモい」と言う恒星。
晶はこの状況をどう受け入れて行くのか、あるいは変えて行くのか、そこがこのドラマの見所なのかもしれない。
ラストは爽快だったと同時に「で次どうなるの...?」と言うワクワクが止まらない終わり方だった。
もうとにかくガッキーが可愛いのでずっと画面を見てられる。
辛そうな表情の時は感情移入して胃が痛くなりそうにもなった。
2話は恒星さんもさらに深掘りされるようなので期待。